信州の伝承文化 -長野県無形民俗文化財-

御影新田の道祖神祭り 勇壮な山車のぶつけ合いで豊作祈願

県指定無形民俗文化財 【小諸市】

由来・次第

 江戸時代から300年以上続けられている道祖神祭り。五穀豊穣、天下泰平、交通安全、新生児誕生、無病息災などの願いが込められている。1月2日に獅子舞を奉納し、1月7日には上宿下宿の山車が出て、激しくぶつかり合う。山車をぶつけ合う行事は御影(みかげ)新田独特のもので、下宿の山車を男、上宿を女としてもみ合わせることで、子宝に恵まれることを意味しており、豊作祈願を込めた予祝行事の意義が深い。また、小正月の火祭り(どんど焼き)は御影新田にはなく、道祖神祭りがこれと直接結びつかないことも特色のひとつである。祭りの起源は明らかではないが、御影陣屋の役人たちを慰めるために始められたともいわれる。
 2台の山車に乗るのは、主に地区内の小学校高学年生。高さ6メートルほどの山車の最大の特徴は、笠燈籠の上へつけられた笹の葉つきの青竹2本に丸提灯をたくさんつけて、カタツムリの触角のように前面へ突き出していること。これに、ひもが取りつけてあり、乗っている子どもが衝突するときに引き締めることで笠燈籠が破れないように守るはたらきをする。
 1月7日午後6時、上宿と下宿の山車は各宿の道祖神前から出発し、道中、山車の上にのった小学校高学年生は、観客へ向かってミカンや菓子をまいていく。陣屋前へ着くと、女山車と男山車は、互いに相手に向かって突進し、激突する。ぶつけ合いは1時間半におよぶ。

(写真 小諸市教育委員会)

●開催日/1月7日
●開催地/小諸市御影新田

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