長野県の芸術・文化情報センター公益財団法人 八十二文化財団
八十二文化財団では機関誌『地域文化』をはじめ、
県内の文化の調査研究の成果を報告書にまとめ発刊しております。
「上医は国を医(いや)す」という言葉があります。中国の古代思想に由来し、優れた医者が社会全体、すなわち国や国民の健康を守るという考えです。背景には優れた医療が提供されることで国民の健康が向上し、それが経済や社会の発展につながるという考えがあります。医者は病気を治すだけでなく、健康教育や生活習慣の改善など、社会全体に関与することが期待されるのです。まさにこの言葉を体現した医師・若月俊一が、80年前に信州にやってきました。若月が体現した医療や与えた影響について考えます。