長野県の芸術・文化情報センター公益財団法人 八十二文化財団
八十二文化財団では機関誌『地域文化』をはじめ、
県内の文化の調査研究の成果を報告書にまとめ発刊しております。
里芋は、日本へは稲作以前に渡来した栽培作物と考えられています。食料のみならず伝統的な儀礼や薬用などに用いられ、江戸時代までは「イモ」と言えば里芋を指していました。今ではジャガイモやサツマイモのほうが生産量も多く親しまれていますが、信州でも三種の里芋が伝統野菜として選定され、食の文化財として大切に受け継がれています。本号では日本に古くからある里芋のルーツを探りながら、多様性に富み謎も多い里芋の世界をお伝えし、その重要性や種の多様性の保持、保全の必要性も考えます。