信州の伝承文化 -長野県無形民俗文化財-

別所温泉の岳の幟行事 色とりどりの幟を奉納する雨乞いの祭り

国選択無形民俗文化財 【上田市】

由来・次第

 上田市塩田平は、昔から水不足にたいへん悩まされていた土地で、灌漑用のため池が数多くつくられたり、さまざまな雨乞い行事が行われてきた。岳の幟行事も、雨乞いの祭りである。言い伝えによると、16世紀初め、室町時代の永正年間にひどい日照りが続き、水が涸れて作物がほとんど緑を失ってしまったとき、夫神岳(おがみだけ)の山の神様に雨乞いの祈願をしたところ、雨が降り作物がよみがえったという。以来、夫神岳の山頂に祠を建て、九頭竜神(龗(おかみ))をまつり、毎年各家で織った布を奉納し、感謝と祈願をしたのが始まりだったとされている。
 行事当日の夜明け前、幟行列の担い手は別所温泉を出発し、夫神岳に登る。6時頃、九頭竜神(龗(おかみ))の祠に岳の幟の布と御神酒を供え、祝詞をあげ、地域の安全と五穀豊穣を祈願してお祓いをし、6時半頃、登り竜を先頭に40本ほどの幟を立て、最後に降り竜がついて山を下りる。途中、30本ほどの幟が加わり、その後、三頭獅子、ささら踊りの一行と合流して別所の温泉街を一巡する。三頭獅子は、笛、太鼓の囃子に合わせて、竜頭青面の雄獅子2頭、竜頭赤面の雌獅子1頭が腰太鼓を打ちながら踊る。ささら踊りは、竹の枠に牡丹の造花をつけた花笠を被った小学生女子30名が演じる。三頭獅子とささら踊りは、温泉街の4カ所で舞い踊られ、最後に別所神社の神前で舞を奉納して終了する。

(写真 社団法人 信州・長野県観光協会)

●開催日/7月15日に近い日曜日
●開催地/上田市別所温泉

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