信州の伝承文化 -長野県無形民俗文化財-

雨宮の神事芸能 江戸時代の観光案内にも載った風流の祭り

国重要無形民俗文化財 【千曲市】

由来・次第

 雨宮の神事芸能は同社の祈年祭として行われるもので「雨宮の御神事」「獅子踊り」とも呼ばれる。起源ははっきりしないが500年を超える伝統があるといわれている。神事本来の意味は、疫病や田畑の荒廃といったたたりの元凶となる怨霊を、華やかな踊りやお囃子で盛大に送り出すというもの。神事終盤の「化粧落とし」や「橋懸(はしがか)り」は御霊送りの意味で始まったものである。ここに農耕行事や田楽的要素が加わり、田畑の豊穣を祈る予祝的な目的をあわせもつようになっている。
 祭りは社殿での遷座式の神事の後、町太鼓と呼ぶふれ太鼓の合図で、祭り装束に整えた諸役が社前に参集して行われる。その社前で朝踊りと呼ぶ御神事踊りが行われる。笛、太鼓、神事歌にあわせ、六大神が面を付け「御鍬(おんくわ)」「獅子」とともに踊る。武者や神輿が出て若宮社などへ場所を移して、それぞれの場所で「御神事踊り」が行われ、行列が鳥居前に戻ると獅子頭の白紙をはがす「化粧落とし」、生仁川(なまにがわ)の斎場橋から獅子頭を逆さにつるし、獅子が水面を叩く「橋懸り」と呼ぶ神事が行われる。最後に唐崎社で「山踊り」と呼ぶ御神事踊りが行われて社前に戻り、祭りは終わる。
 神々の古風な所作や豪快な獅子舞、古雅な太鼓踊りなど、さまざまな芸能が組みあわさり、しかも整然と一体になって行われる祭りは、全国でも珍しいといわれている。

(写真 雨宮坐日吉神社御神事保存会)

●開催日/4月29日(3年に一度)
●開催地/千曲市雨宮 雨宮坐日吉神社

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