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有形文化財

菱田春草筆「春秋」 ヒシダシュンソウヒツ シュンジュウ 2幅

指定区分・種別市-指定-有形文化財
内容絵画
指定年月日平成 23/07/20
時代区分明治時代
年代1910年(明治43)
作者菱田 春草
所在地飯田市追手町2-655-7(飯田市美術博物館)
寸法・材質・形状各幅-縦144.5cm、横71.7cm、絹本著色、軸装
概要解説菱田春草の作品が、社会的に評価され注目されるようになるのは、明治42年(1909)の第3回文展に出品された「落葉」以降のことである。「落葉」では線による表現が復活し、没線描法の画風を離れて装飾性を強めていく。これは翌年出品された「黒き猫」へも継承され、ここに春草が目指した新たな日本画が成果を結びはじめる。「落葉」「黒き猫」は国重要文化財に指定されている作品で、春草を代表する2点である。「春秋」は、この2点の作品に挟まれる作品であり、「落葉」から「黒き猫」に至る作風の変化をみてとることができる。「春秋」では、カエデ、ヤツデ、ササの葉に輪郭線が使われ、葉の形象をはっきりと印象づけている。これは没線描法の曖昧な表現とは異なり、絵画の装飾性を強く意識した姿勢である。また背景は奥行きを抑え絵画性を強調している。これらは「黒き猫」につながる表現であり、「落葉」からより装飾性へむかう傾向を示している。
交通案内JR飯田線飯田駅から徒歩15分、中央自動車道飯田ICから車で15分

※ご注意ください:すべての文化財は見学が可能とは限りません。見学の際は、事前に関連する教育委員会へお問い合わせください。

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