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有形文化財

銅製御正躰 ドウセイミショウタイ 1面

指定区分・種別市-指定-有形文化財
内容金工品
指定年月日平成 20/06/24
時代区分平安時代
年代平安後期
作者
所在地上田市国分1125(寄託展示 上田市立信濃国分寺資料館)
寸法・材質・形状面径15.3cm、像長14.7cm、像幅8.9cm、面厚1.2cm、鏡板厚0.15cm、銅製、鍍金(尊像面のみ)、鏡板及び仏像は鋳造
概要解説三島大明神は文安年間(1444-1449)に伊豆から勧請して社を構えたとされる。しかし、本御正躰の伝来については明確ではない。尊像は十一面観音坐像である。頭部はやや面長で、天冠台と冠を表し、頭上二段にわたり六面、三面の変化面を配し、背面の大笑面を省略し、本面と合わせて十一面としたものであろう。鏡板上方の左右二箇所に懸架用の貫通孔が確認される。懸架のために裏面に素鈕をつくる類例は平安時代後期にその制作年代が遡るとされるものに多く、吊金具が鎌倉時代の作例に始まることを合わせて考えるとき、鈕を持たない本御正躰は当初は鏡台のようなものに架せられていた可能性が高い。平安時代後期の作品と考えられ、仏像を線刻する鏡像から立体的に表現する御正躰へと変化する過渡期に位置づけられる希少な事例である。尊像のモチーフが密教図像に通じ、穏やかで優美な表現技法から、在地ではなく京での製作が推定される。また、尊像を銅板から切り抜いて槌起と毛彫りで造形する御正躰の例は全国的に見ても数少ないものである。
交通案内JR・しなの鉄道上田駅から車で15分、しなの鉄道信濃国分寺駅から徒歩5分、上信越自動車道上田菅平ICから車で10分

※ご注意ください:すべての文化財は見学が可能とは限りません。見学の際は、事前に関連する教育委員会へお問い合わせください。

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