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史跡

狼落とし(乙事区) イヌオトシ オッコトク 1基

指定区分・種別市-指定-史跡
内容その他社会・生活に関する遺跡
指定年月日令和 1/09/11
時代区分江戸時代
年代
作者
所在地諏訪郡富士見町乙事
寸法・材質・形状外径12m、内径8m、深さ2.8m
概要解説 江戸時代、八ヶ岳山麓一帯は狼による人畜の被害が多く、村々では頭痛の種であり、その駆除について藩に口上書を以って願い出ている。狼の被害を避けるため、村々では文政5年(1822)に藩の指導を受けて通称「狼落とし」と呼ぶ穴をつくっている。乙事の通称“犬の穴”に遺されている狼落としも、そのころ築造されたものと思われる。これまで町内では立沢区大婦奈の狼落としが唯一の事例として知られ、昭和55年(1980)に町の史跡に指定されていた。乙事区では平成27年(2015)に区が中心となって調査を行い、穴が遺存していることが確認された。また立沢で知られていた落とし穴とは構造が大きく異なり、外径12m、内径8m、深さ2.8mで、壁の石積みは底から1.5m、穴中央が小山のように高く堀り残されていた。これは狼捕獲のため、そして穴に落ちた狼が這い上がれなくするための工夫だと考えられる。町内ならびに近隣市町村はもとより、全国的にも狼対策の落とし穴が遺されている事例はなく、構造的にも独自の工夫がみられることから極めて重要な資料である。
交通案内中央自動車道小淵沢ICから車で15分

※ご注意ください:すべての文化財は見学が可能とは限りません。見学の際は、事前に関連する教育委員会へお問い合わせください。

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