ウインドーギャラリー

八十二別館ビル 南側ウインドーで、写真展を開催しています。毎年「テーマ」を決め、4月と10月に展示替えとなります。

「山とくらし」

今村 豊・上野滋数

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桃の花摘み(飯綱町丹霞郷)

 桃の花の見ごろが終わると、良い実が付くように花摘みを行なう。
 飯綱町丹霞郷(たんかきょう)は平出地区。10アールの広さに約1,500本の桃木がある。昭和8年、洋画家岡田三郎助が「まるで丹(あか)い霞がたなびくようだ」と言ったことから「丹霞郷」と命名された。
 北信濃を作表する北信五岳の残雪を背景に薄紅色の桃の花が美しく咲き競う。見頃は4月下旬~5月上旬。

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信州の茶摘み(天竜村)

 信州最南端、天竜川に向って急斜面が続く中井侍の部落。温暖な気候が良質の日本茶を育てるという。
 八十八夜を過ぎると近所の主婦も加わって茶つみが始まる。やわらかな南信州特有の言葉がとびかい、手の動きもさることながら会話もにぎやか、順調のようだった。

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残雪の白馬連峰(長野市)

 長野市と大町市の間の山あいの部落。白馬連峰の眺めが自慢の高原地帯での稲作。この日は人の手での田植えが行なわれていた。
 5月とはいえ水の中の農作業は見る者には冷たそうだった。米の消費がとかく言われる時代だが、この風景をいつまでも残してほしい。

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葉タバコ(長野市戸隠)

 戸隠では真夏にビニールハウス内での葉タバコの乾燥で忙しい。
 戸隠地区は県内1位の葉タバコの生産地。平成23年度の契約耕作者は66戸、耕作面積は1,869アール。農協で3月3日種まきをして5月上旬耕作者が植付ける。6月下旬~8月15日頃までに1本から22枚の葉を摘取りビニールハウス内で1枚1枚つるして乾燥させる。一番大事な作業で、乾燥が悪いと出荷出来ない。真夏の大変な作業です。

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稲刈り(飯山市)

 千曲川畔の高みから見下ろす見事な黄金色の広がりはこの年の豊作を暗示していた。
 日本人が米を食べなくなり、作り手は年老いて日本の稲作には黄色信号がともっている。古い昔からこの国の当たり前の風景として受け継がれてきた水田は、今変化の速度を早めており、放置された田には葦やヨシが生い茂り秋の美しい黄色のモザイク模様は消えてゆく。
 平成の今、この風景はもうない。

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そばの収穫(長野市戸隠)

 近年、そば畑は広く大きくなる傾向で野球場がいくつも入るような広大な畑が戸隠山や黒姫山の山麓に広がっている。
 秋空のもと、さわやかな風に揺れる儚(はかな)げな白い花は、この時期の信州の風物詩ではあるが、昭和の時代のそば畑は農家の周りに点在する小さなものが多かった。
 そばは二度霜にあてると風味が増しうまくなるという。手が凍えるような朝、黙々と刈り、束ねる老夫婦の姿があった。

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雪ざらし(飯山市)

 国指定伝統工芸品「内山紙」の名称は発祥地の飯山市内山に起因する。飯山の豪雪を利用した雪ざらしなど独特な工程が定着した。
 原料は楮(こうぞ)のみのため強靭な和紙になり、生産の大部分は障子紙に加工される。荒縄のように縮んだ楮皮は雪の上に広げられまばらに雪をかける。この状態で1週間ほど天日にさらす。

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寒天干し(茅野市)

 伏見のある旅篭で出された心太(ところてん)の残りが戸外に捨てられ、何日かして見たら白い干物に変わっていたことから寒天が発見された。
 諏訪地方で寒天製造が始まったのは天保年間で茅野市玉川穴山の小林粂左衛門が丹波に行商に出掛けた折に技術を習得したのが始まりで現在に至る。
 天草を煮てろ過した寒天液を屋外で凍結・乾燥を繰り返し2週間程で天然角寒天ができる。
 諏訪地方の冬の風物詩である。

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