ウインドギャラリー

八十二別館ビル 南側ウインドーで、写真展を開催しています。毎年「テーマ」を決め、4月と10月に展示替えとなります。

「信州・銭湯紀行」(①~④:4月~9月、⑤~⑧:10月~3月 展示)

長く庶民の日常生活を支えてきた銭湯には、単なる入浴施設というだけでなく、地域住民の交流の場となることで、まさに心身ともに疲れを癒すという役割がありました。
戦後、内風呂の普及とともにその数は減少してきましたが、長い歴史を持つ銭湯には、建物の佇まいや独特の内装などに、人々の生活が染み渡ったような、深い郷愁と風情が感じられます。その味わいは、多くの人々が共有できるものであると同時に、施設が異なれば二つと同じものがない、それぞれの地域によって育てられ、守られてきたものでもあります。本展では、これからも長く伝えていきたい、大切にしたい文化である銭湯の姿を取材し、写真パネルでご紹介してまいります。

アートディレクター/中沢定幸  
カメラマン/大井川茂  
コピーライター/渡邊美保

クリックで拡大します

①梅の湯 (長野市松代町鍛冶町940-2)

 看板も外壁もロッカーも、いたるところが緑色。おかみさん曰く、人が安らぐ色だから緑色にしている、とのこと。
365日、毎日営業しているけど、なかにはおしゃべり目当てで来ている常連さんもいるらしい。お湯も、イメージカラーの緑色もお客さんを癒すけど、一番みんなを癒しているのは、ご主人夫婦の気遣いかもしれないな。

クリックで拡大します

②柳の湯(上田市中央4-10-1)

 大きな窓から、磨りガラスを通して明るい光が差し込む。
風呂椅子の代わりに置いてあるのは、真四角に整えられた木のブロック。先代の頃から使ってた緑色の風呂椅子や体重計などは、もう修理屋さんが近くにいないらしい。
昔はたくさんあったであろう川沿いの柳も今は見られないけれど、このお湯だけは、ずっとそのままでいてほしいなぁ。

クリックで拡大します

③富士の湯(松本市本庄2-9-8)

 天井が高くて、開放感のあるお風呂。湯船の奥の窓からは、小さいながらも風情のある中庭が見える。創業時に瀬戸で焼いたパノラマ画面のタイル画で男湯と女湯を仕切っている。描かれているスイスの風景が、なんだか中庭の風景とつながっているみたいだ。そういえば、ここは松本。スイスの雄大な風景と日本の北アルプスを重ねながら、ゆっくり湯船に浸かるとしよう。

クリックで拡大します

④平湯(諏訪市小和田17)

 組合加入者しか入れない温泉は、地元の人たちに愛され、支えられてきたお湯だ。その昔、隣の「上湯」が武士専用だったのに対して、こちらは平民専用の「平湯」とされたと言う。いやぁ、身分なんてどうでもいいから、みんなで一緒に温まってこの温泉を守っていきましょう。湯船に入って、このレトロな木造建築の梁を眺めていると自然とそんな気持ちになるのだ。

クリックで拡大します

⑤アルプス温泉(長野市新田町1481)

 長野駅から善光寺へと続く表参道。途中で少し脇道に入ると、赤い屋根に白い窓の、かわいらしい建物が見えて来る。入口の壁面はレンガ調。風呂場では、絵本を参考に作ってもらったという、何とも愛らしいモザイク調のタイル画が迎えてくれる。聞けば、創業から150年余りの歴史を持つ老舗銭湯だそう。市街地のど真ん中にありながら、家庭的な雰囲気でみんなの身も心も温めてきたお湯なんだなあ。

クリックで拡大します

⑥宮桜の湯(上田市常田3-14-3)

 青空をバックに立ち上る煙突の白い煙を確認して、今日もいそいそと支度する。タイル張りの湯船に、「ケロヨン」の黄色い桶。ゆっくりとお湯につかりながら眺めるのは、銭湯によくあるペンキ絵の富士ではなく、アートな壁画。レトロとモダンが交錯し、日常からちょっとだけ非日常へと逃避する、なんとも居心地のよい空間。さあ、ひとっ風呂浴びていきますか。

クリックで拡大します

⑦桑の湯(塩尻市大門1-15-17)

 いかにも銭湯らしい煙突と瓦屋根。脱衣所に入ってふと上を見ると、そこには格式高い格天井が。浴室との間を仕切る、ガラスの入った欄間状の建具にも、江戸の銭湯とは違った、慎ましくも凛とした趣がある。以前は銭湯と一緒に製材所も営んでいたそうだから、こんなに落ちつく木の建物になったのかなぁ。薪で湧かしたお湯で身体を暖めたら、脱衣所のソファーでゆっくりその空間を楽しむとしよう。

クリックで拡大します

⑧菅野温泉(諏訪郡下諏訪町大社通3239-1)

 早朝5時から、ひっきりなしにお客さんが来る。週末は旅行客も多いけど、平日に来るのはほとんど常連さんだ。戦前には市場も入っていたという建物は、屋内の通路がなんともレトロな雰囲気を醸し出している。昔は市場の帰りに温泉に浸かったりしたのかなぁ。そういえば、壁に地元の小学生が描いた「温泉マナー」のポスターがあったけど、ここでは小学生からすでに温泉の常連なのだろうか?まったくもって、羨ましすぎる。

▲ページの先頭に戻る