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有形民俗文化財

北ムラのお地蔵さん キタムラノオジゾウサン 1基

指定区分・種別市-指定-有形民俗文化財
内容信仰(有形民俗)
指定年月日平成 20/08/01
時代区分江戸時代
年代1742年(寛保2)頃
作者
所在地中野市上今井
寸法・材質・形状総高120cm、石造地蔵尊
概要解説この地蔵尊は元は別の場所にあったようだが、明治30年(1897)頃に県道の工事によって現在地に移されたと伝えられている。背面に刻まれた銘文から、江戸時代の寛保2年(1742)の大洪水で、この荒山にかつて存在した通船の船着場に洪水の溺死者が漂着し、その死者を弔うため袖山氏が発願し、造立されたものであることがわかる。荒山は千曲川に近い川辺の集落で水難事故の多いところでもあり、当時の人たちは地蔵尊を造立して洪水の死者を弔うとともに、水除けの祈りを込めたと思われる。寛保2年の大洪水は、壬戌(みずのえいぬ)の年にあたることから、千曲川流域では「戌の満水(いぬのまんすい)」と呼ばれ多数の犠牲者を出すとともに家屋・田畑が流出するなど多大な被害をもたらした。「戌の満水」という歴史的事実を記録し、川辺に住む人たちが水除けの祈りをささげた地蔵尊は、後世に歴史を伝える貴重な証言者である。地元の荒山の人たちは自分たちの集落を「ムラ」と呼んでおり、また地蔵尊が集落(ムラ)の北の方にあるということから「北ムラのお地蔵さん」と呼んでいる。
交通案内JR飯山線替佐駅から車で1分徒歩10分、上信越自動車道信州中野ICから車で15分

※ご注意ください:すべての文化財は見学が可能とは限りません。見学の際は、事前に関連する教育委員会へお問い合わせください。

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